モッコウバラの剪定方法を図解で解説!適した時期と方法を分かりやすく解説

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黄や白の小さな花を一面に咲かせるモッコウバラ(木香薔薇)は、春の庭を彩る人気のつる性植物です。育てやすいと言われるものの、正しく剪定をしないと「花が咲かない」「つるが伸びすぎて手に負えなくなる」といった悩みを抱えることも。

本記事では、モッコウバラを美しく咲かせるための剪定時期と具体的な切り方を、「図解」を使って分かりやすく解説します。正しい手順をマスターすれば、剪定での失敗リスクを減らせます。

記事のポイント

  1. 適切な剪定時期
  2. 剪定のやり方【図解付き】
  3. 剪定の注意点
目次

モッコウバラの剪定は「年2回」が最適!満開を逃さないための時期と目的

満開のモッコウバラ

モッコウバラを翌年も美しく咲かせるためには、剪定を適切な時期に行うことが重要です。モッコウバラは、春の開花後、その年の夏から秋にかけて翌年咲くための「花芽」を形成します。

この花芽を誤って切り落とさないよう、剪定は原則として年に2回行うのがおすすめです。

剪定時期1:花後すぐ(5月〜6月上旬)の目的

この時期の剪定は「翌年の花芽形成を促すため」に行う特に重要な作業です。モッコウバラは花が咲き終わると、すぐに新しい枝を伸ばし始め、それが夏以降に花芽になる準備をします。

そのため、花後すぐに、咲き終わって枯れた花(花がら)と混みあった枝を剪定をすることで、新芽の成長にエネルギーが集中し、翌年の花付きが格段に良くなります。

この時期の剪定の主な目的は以下の通りです。

  1. 翌年の花付きを良くする:古い枝を整理し、新しい枝の成長を促すことで、花芽を作るための準備をします。
  2. 樹形を整える:夏に枝葉が成長することを見越して、長く伸びすぎた枝や、絡み合っている箇所を整えます。

剪定時期2:冬(12月〜2月)の目的

この時期の剪定は、樹形を整え、花数を増やすための誘引を行うのが主な目的です。そのため、軽めに行います。

冬はモッコウバラの休眠期にあたり、剪定によるダメージが少なく、葉が落ちていることから枝の全体像を確認しやすい時期です。しかし、すでに花芽が形成されているため、強く切り戻すのは厳禁です。なぜなら、花芽を切り落としてしまうと、翌春に花が咲かない原因となるからです 。

この時期の剪定の主な目的は以下の通りです。

  1. 誘引の実施:つるをフェンスや壁に水平に固定し、枝全体から満遍なく花を咲かせる準備をします。
  2. 樹形の微調整:長く伸びすぎた枝の先端や、枯れている枝を整理し、誘引しやすい形に整えます。

剪定の共通目的は「花付きを良くすること」と「病害虫予防」

剪定は、単に伸びすぎた枝を切り落として樹形を整えるためだけに行うのではありません。剪定には、モッコウバラを健康に保ち、美しい状態を維持するための重要な目的が2つあります。

花付きを良くする(翌年の準備):正しい時期に剪定を行うことで、新しい枝の成長を促し、夏から秋にかけてしっかりと花芽を作らせます。

病害虫の予防:枝が密生した部分を間引くことで、株の内部まで光と風が十分に通るようになります。これにより、多湿を好む病気(うどんこ病など)や害虫の発生を防ぐ効果が期待できます。

【図解】花後の剪定:翌年の花芽を守る切り方

春の開花が終わったら、なるべく早く(遅くとも6月上旬までに)剪定を済ませましょう。これが、翌年の開花状態を決める重要な作業です。

花後の剪定は「間引き」と「花がら切り」がメイン

この時期の剪定は、枝の先端を短くする「切り戻し」よりも、混み合った枝を根元から整理する「間引き剪定」と、咲き終わった花を取り除く「花がら切り」が中心です。

間引きで風通しを確保し、花がら切りで翌年咲く枝の成長を促すことが主な目的です。

【図解】咲き終わった枝(花がら)をどこで切る?

花がら摘み

咲き終わった花から数えて「2~3枚下の葉の付け根(葉節)」の上で切りましょう。花がら切りは、翌年につながる花芽を作るための大切な作業です。切り落とす場所を誤ると、その枝は来年花をつけなくなることも。

葉の付け根(葉節)には、次に伸びるための新しい芽(腋芽)が潜んでいます。この芽が伸びて充実することで、翌年の花芽へと発展するからです。

切るときは、葉節のすぐ上、外側に向かって芽が出ている方向で切ると、樹形が内側に混み合うのを防げます。ハサミを斜めに傾けて切ると、切り口に水が溜まりにくく、病気予防に効果的です。

モッコウバラの剪定では、他の種類のバラのように強めの切り戻しを必要としません。強く切り戻すと葉や枝だけが勢いよく茂り、花付きが悪くなるからです。翌年の花芽の成長を促したいときは、花がらのすぐ下の枝の一部を短く切り戻します。

混み合った枝、古い枝は根元から切る「間引き剪定」

間引き剪定の図解


モッコウバラは成長が非常に旺盛なため、放っておくと枝が密生してしまいます。花がら切りと同時に、以下の枝を根元から切る「間引き剪定」を行い、株の内部に光と風が届くようにしてください。

不要な枝

枯れた枝(枯れ枝):色が変色し、触るとカサカサしている枝
混み合った枝:他の枝と絡み合っている、または株の内側に向かって伸びている枝
古い枝(古枝):太くゴツゴツしており、近年あまり花を咲かせなくなった枝

古枝を根元から切り落とすことは、株の若返りを図り、新しい元気な枝(新梢)の発生を促す効果も期待できます。

【図解】12月〜2月の「冬の剪定と誘引」:切りすぎ厳禁!花数を増やすテクニック

冬のモッコウバラは休眠期に入ります。この時期の作業は、翌年の花芽を最大限に活かし、樹形を整えるための「誘引(ゆういん)」がメインとなります。

冬は「軽めの剪定」に留め【誘引作業】で翌年の花数を増やす

春の開花を控えた冬の剪定では、花芽を切り落とすリスクを避けるため、強く切り戻す必要はありません。誘引作業の邪魔になるほど長く伸びた枝の先端を、軽く切り詰める程度の切り戻しを行います。冬の剪定のポイントは、以下の2点です。

樹形からはみ出た部分の調整:壁やフェンスからはみ出し、邪魔になる枝先を軽く切り詰めます。

誘引の準備:長すぎる枝を整理し、誘引しやすい長さに調整する作業です。

冬の剪定で最も重要な作業は、この後説明する「誘引」であり、冬の剪定はあくまでその準備だと捉えましょう。

冬に行うバラの剪定について「バラを冬に剪定するときの正しいやり方 | 切り過ぎた場合の対策まで徹底解説」でも詳しく解説しています。

花芽を潰さない!長く伸びた枝の正しい切り詰め方

長く伸びてしまった枝を軽く切り詰める際は、全体のバランスを見ながら切ります。基本的に、先端を1/3程度切り詰めるに留めることが大切です。

花芽は枝の全体についていますが、大幅に切ってしまうと花数を減らす原因となります。もし、明らかに枯れている枝や、細く弱々しい枝があれば、間引き剪定の要領で根元から取り除きましょう。

たくさんの花を咲かせるための誘引のコツ

バラの誘引

枝を壁やフェンスに「水平」または「斜め」に倒して固定しましょう。モッコウバラを含むつる性のバラ科の植物には、「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質があります。これは、枝の先端にある芽(頂芽)に栄養が集中しやすく、途中の芽が伸びにくいことです。

そこで、誘引で枝の全体から芽を出させ、花付きを良くします。枝を横向きに倒すことで、栄養が枝全体に分散され、たくさんの側枝(横から出る枝)が伸びます。この側枝こそが、翌年の開花を担う重要な枝になるのです。紐やビニタイなどを使って、しっかりと固定してあげてください。

失敗しないために!モッコウバラ剪定作業全体の注意点

庭に咲くモッコウバラ

モッコウバラの剪定は、手順を守れば難しい作業ではありませんが、以下の重要な注意点を守らなければ失敗につながります。

夏〜秋の強剪定は厳禁

夏(7月以降)から秋にかけて強く剪定することは絶対に避けてください。モッコウバラは、春の花が終わった後、この期間に翌年咲くための花芽を形成します。

この時期に深く枝を切り戻すと、せっかくできた花芽をすべて切り落としてしまい、翌春には花が全く咲かないことにつながります。剪定はあくまで花後すぐか、休眠期である冬の誘引時に留めましょう。

道具の清潔さの確保

剪定に使用するハサミやノコギリは、使用前に必ず消毒し清潔な状態を保ちましょう。ハサミが不潔だと、切り口から雑菌が侵入し株が病気にかかる原因になります。

特に、枯れた枝や病気の枝を切った後は、次を切る前にアルコールなどで刃を拭き取ることが大切です。切り口を保護するために、癒合剤(ゆごうざい)を塗るのも有効です。

作業時の安全確保

モッコウバラにはトゲがないのが一般的ですが、稀にトゲを持つ品種や、突然変異でトゲが発生することがあります。また、枝を誘引などで無理に曲げようとすると、硬いつるで手を傷つける恐れもあります。

作業時は必ず厚手の園芸用手袋(革手袋など)を着用し、特に高所での作業では足場をしっかりと確保して安全第一で行ってください。大きな株や高所作業は、無理せずプロに任せることも検討しましょう。

モッコウバラが「咲かない」時の解決策:剪定以外で確認すべき3つのこと

正しい時期と方法に従って剪定をしているのに花が咲かないのは、剪定以外の環境要因が考えられます。以下の3つのチェックポイントを確認してみてください。

チェック1:肥料の与えすぎや与える時期の誤り

モッコウバラは基本的に多くの肥料を必要としませんが、特にチッ素(窒素)成分が多すぎることで、花芽を作る代わりに葉や茎ばかりが茂る「つるぼけ」の状態を引き起こします。

対策として、チッ素肥料を控えめにしましょう。花後に株のエネルギーを回復させるための施肥は、花付きを良くするリン酸やカリウムを多く含む肥料を選ぶのが適切です。

チェック2:日当たり・水はけの良さ

モッコウバラは、最低でも半日は日が当たる場所でないと、健康に育たず花付きも悪くなります。また、水はけが悪い土壌では根腐れを起こしやすくなり、生育不良の原因になります。

対策として、日陰に植えている場合は、可能であれば日当たりの良い場所へ植え替えを検討しましょう。土壌改良材を混ぜて水はけを改善することも大切です。

チェック3:大きく育ちすぎた「樹齢の高い枝」の増加

モッコウバラは長寿な植物ですが、古い枝(古枝)は徐々に勢いを失い、花付きが悪くなっていきます。

対策として剪定の際に、太く、ゴツゴツして勢いのない古枝を見つけたら、思い切って根元から切り取りましょう。株の若返りを図る更新剪定を行うことで、株元から新しい元気な枝の発生を促すことができます。

まとめ:モッコウバラ剪定は時期とやり方の理解が成功の秘訣

図解でモッコウバラの正しい時期と剪定方法を理解すれば、来年以降も美しい花の開花が期待できます。モッコウバラの剪定は、決して難しい作業ではありません。最も大切なのは、花後(5月〜6月)に翌年の花芽形成のために花がら切りと間引き剪定を行うこと、冬(12月〜2月)に、水平に誘引して花数を増やすことです。図解を参考に正しい剪定を実践し、春にモッコウバラで庭を彩りましょう。

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